結べぬ夢

とある男が変な夢を見て、なんか色々起こる話。

 京十郎がはたと気が付くと、宴会の席にいた。ここはどこだろうかと周囲を見回し、並んでいる顔を見て、ああ小学校の同窓会かと思い出す。招待状をもらって、いや誰かに呼ばれたか? とにかく、そういう席だという認識があった。それから、ふと肩にかかる重みに気付く。見ると、長らくやっていない三味線を肩に担いでいた。確か普段は自室の隅に置いてあるはずが、なぜか肩に担いでいる。それも、胴を肩に乗せている。一体どうしてこのような形で持っているのだろうかと思っていると、遠くの話し声が耳に飛び込んでくる。
「おい、俺は最近三味線というのを始めてな」
 それは小学生の頃に苦手に思っていた者の声に聞こえる。
「今持ってきたから、ここで聞かせてやろう」
 言葉の直後に聞こえてきたのは、実につたない演奏だった。聞こえてきた曲は本来もう少し早い曲だが、ゆっくりと一音一音確かめるような演奏で、やや間延びしている。しかしそれを聞いて、周りがやんややんやと囃し立てている。それに対し、むくりと対抗心が湧き上がる。京十郎は三味線を趣味でやっている。趣味なので腕前はそこまで上手とは言えない。だが少なくとも、今聞こえてくるあれより上手であるという自負があった。だから、あの場に割って入って演奏してやろうと一瞬考える。今なぜか肩に三味線があるし、見たところ糸も切れていないから、少し調子だけ整えればすぐに弾けるはずだ。
 どれやってやろうかと、腰を浮かす。だが、すぐにその腰を下ろした。向こうに見えた光景を見て、そこに割って入る自身を具体的に想像して、いやいやと思い直したのだ。今あの場はあれで盛り上がっている。そこに自身の方が技巧があると言って入るのは、あまりに無粋だろうし、興も削がれてしまう。今三味線を弾いている彼は楽しそうに弾いているし、周りも楽しそうだ。あれを邪魔するのはいくらなんでもと、京十郎は辛うじて思い直した。
 だがこのままここにいてはまた対抗心が湧くだろうと、京十郎はそこから離れることにした。三味線を肩に担いだまま会場をうろちょろしていると、帰りのバスがあるといった話が聞こえてきた。
「帰れるのかい」
 声をかけると、そこにいた偉丈夫が頷く。見覚えのあるようなないような、そんな御仁だった。
「ええ。あちらの乗り場から行けます。ご自宅の近くまで走りますよ」
「ではそれに乗ってお暇させてもらおう」
「そうですか。ではこちらへ」
 案内され、バスに乗り込むと、妙な空間になっていると気付いた。見た目は確かに普通のバスなのに、中に入るとテーブルが並んでおり、その上には酒や食事が並んでいる。そしてバスの中にいる者は、テーブルについてそこでもささやかな酒宴をしているようだった。さながら二次会会場というべきか。
 それに困惑している間にも、席に案内され、そこに座らざるを得なくなった。少し迷ったが、結局京十郎はそこに座った。そしてバスが動き出すと、相席となっていた誰かが京十郎の前に置いてあるグラスに酒を注いだ。
「あ、いや、もうこれ以上は」
「なんだ、これくらいまだ大丈夫だろう、お前は」
 親しげに声をかけてきた者をよく見ると、小学生の頃に仲が良かった達樹がそこにいた。
「たっちゃん?」
 思わず小学生の頃のあだ名で呼ぶと、彼はにこりと笑う。
「久しぶりだな、キョウくん。あっちの会場じゃそんなに喋れなかっただろ。だから今話そう」
 その言葉になぜか無性に嬉しくなり、京十郎は同じくにこりと笑い、そのまま達樹と様々な話をした。近況から始まり、そこから遡っていくように昔話をしていく。
 楽しく話し、酒を飲み、食事をとっていると、不意にバスのエンジンが止まっていることに気付いた。そうかと思うと、再びエンジンがつき、バスが出発するのがわかる。そこではたと何か予感があって、窓の外を見た。すると、そこは京十郎の実家の近くであった。そうと気付くと、京十郎は慌てて三味線を肩に担ぎ、立ち上がった。
「たっちゃん、俺帰らないと。だから、また!」
「あ、キョウくん! 待って!」
 呼び止める声が聞こえたが、京十郎は手を振ってバスの出入り口に向かう。
「すみません、降ります、降りるんでした!」
 大声をあげると、バスは停止し、ドアが開いた。
「ありがとうございました!」
 そう言って飛び降りようとした時、背後から声がかかる。
「キョウくん、その三味線、なんで担いでるの」
 当然の疑問だ。それに対し、京十郎は気が付いたら担いでいたのだというべきだろうかと思ったが、ふと悪戯心が湧いて、背後にいた達樹に向かって笑いかける。
「これ、護身用なんだ。何かあったら殴るための!」
 それに達樹が笑うと思ったが、達樹はなぜか悔しそうな顔をして、そうしてバスのドアが閉まってしまった。

 はたと気が付くと、京十郎は知己の住む寺の前にいた。
「あれ」
 周囲を見る。しかし、誰もいないし、そもそもここはあれだけの大きさのバスは通れないはずだ。であれば、あれは夢だったのだろうか。いや夢だろう。そもそもあんな内装のバスなど存在しない。
「おや、京十郎君」
 声をかけられ、見るとこの寺に住む知己、四辻がいた。
「四辻さん」
「どうしたんだい、そんなところで。というか、そこに落ちているものは君のものかな」
「え」
 見ると、三味線が落ちている。古びた三味線で、少なくとも自分のものではない。
「いや、え、違うと思いますけど」
「そうか。であれば、どこぞのツクモか、いやもっと別のものか。いずれにせよ、無事帰れたみたいだね。そろそろ夜も明ける。折角だから、君に何があったか、話してくれよ」
「何かと言われても、変な夢を見たと思ったらここにいたとしか」
「その夢の詳細を教えてほしいという話だ。朝飯も用意してやるから、さあ」
 少し迷ったが、結局四辻に呼ばれるまま寺に入った。
 話をしながら朝食をいただき、茶を飲んだところで、四辻はなるほどと呟く。
「まあ直接見たからわからんが、君は恐らく化かされたんだろう」
「化かされた。ただの夢ではなく?」
「そうさ。もしかしたら、君に三味線を弾いてもらいたかったのかもな」
「え、なんで」
「さあ。当事者に聞いてないからわからんが、ふむ、過去のどこかで、君がへたくそな三味線をどこかでやったか、あるいは俺は三味線ができる云々と話したか、その辺の何かがあったのでは?」
「いやいや、俺が三味線をするという話は誰にも話していないですよ。寧ろ今四辻さんに話したのもすぐに忘れてほしいくらいで」
「趣味なのだから堂々としておればよいのに」
「それができるなら俺ではないですよ」
「確かに。しかし君、ここまで聞いた話だと、随分と楽器の趣味が多いな。三味線は今初めて聞いたが、以前ピアノとか笛とかもやると言っていなかったか」
「ピアノは母にやらされていたものですよ。フルートは学生時代の吹奏楽部で、そしてその繋がりで祭囃子の横笛をやらされたってくらいです」
「そうか。しかし、君の三味線とやらを聞いてみたいな。一曲聞かせてくれないか。何、たとえどんなに酷くとも文句は言わないとも」
「今三味線は手元にないので」
「これがある」
 そう言って、四辻が寺の前に落ちていた三味線をよこした。よく見たら、古びてはいるが糸はしっかり張られているし、皮も破れていない。四辻が用意したのか、撥だけは少し新しい。これなら、確かに演奏はできるだろう。
「しかし」
「良いから良いから。聞かせておくれ」
 じっと見つめられ、京十郎はため息をついた。昔から、どうしてかこの男にじっと見つめられると、それに応えたくなるのだ。
「わかりました。ただ、本当にそこまでの腕はないので」
 京十郎は糸巻をくるくると回し、弦を鳴らして音を調整していく。
「覚えている曲は一つしかないから、それでいいですか」
「ああ。どうせ俺には曲の違いなどわからん」
「ん、そうですか。では」
 撥で数回糸を鳴らし、ふうと息をつく。そして、目をかっと開き、気合を込めて撥を振り下ろした。

 数分後、曲を弾き終えて京十郎がふと息をつくと、四辻がぱちぱちと拍手をする。
「謙遜にも程があるよ、京十郎君」
 しかもそんなことを言う。表情からしてお世辞ではなさそうだった。
「いや、実際そんな腕前では」
「素人の俺からしたら充分すぎると思ったよ。そして、だからこそ君は化かされたんだろうなとも察しがついた。いや、化かされたというより招かれたのかもしれないな」
「招かれた?」
「ああ。恐らく、狐狸の類か何かが、どこかで君の三味線を聞いたのだろう。それをもう一度聞きたいと思って君を招き、そして君が弾きやすいように環境を整えたのだろう。へたくそな三味線奏者で君が対抗心を出してくれればと思ったが、それは空振り。ではと気の置けない仲であろう人物に化け、話をして盛り上がったところで、三味線なんて担いでどうした、何趣味でやっている、ぜひ聞かせてくれと、こう繋げたかったんだろう。しかし君がそこで、護身で殴るためと答えてしまったから、もうどうすることもできず、帰すしかなかった。そんなところだろう。いやはや、君、そこでもし向こうの目論見通りに弾いていたら、お抱えにされて帰れなかったかもしれないな」
「そんなことにはならんだろう」
「いいやなるとも。京十郎君、自覚がないだろうから言っておくが、君の演奏は魂を揺さぶる」
「そこまでの技巧はないですよ」
「これは技巧の話じゃない。素質の話だ。君、演奏する時に随分力を込めるだろう。それがそのまま衝撃となって伝播し、魂を揺さぶるんだ。そういう人間がたまにいる。ただ言葉を聞いているだけなのにやたら胸を打たれるなんてこと、なかったかい?」
「……そう言われると、過去そういった体験はありましたが」
「そうか。であれば理解しやすいだろう。言葉で人の魂を揺さぶる力を持つ者はいる。或いは絵画や彫刻などの芸術品、或いは料理など、勿論音楽も。何かしらの方法で人の魂を揺さぶり、刺激する力を持つ者はいる。技巧があるからこその者もいれば、技巧も何もないのにそれができる者はいる。君の楽器の腕がどれほどかわからないし、技巧も実際どれくらいはわからない。しかし、確実に魂を揺さぶる力は持っている」
「はあ」
「実感がわいてないね。まあ、それはいずれ、否が応でも認識しなければならない日が来るだろうさ」
「そうなんでしょうか」
「そうだとも。ひとまず、その三味線は俺の方で預かろう。君の揺さぶりで付喪神が目覚めでもしたら大変だ」
 そう言って四辻が手を差し伸べるので、京十郎は頷いて三味線を渡した。四辻は三味線を眺めて、ふむと頷く。
「やはり危なかったな。案外、これを目覚めさせるためでもあったのかもだが、まあ、これはこのあと封印しておこう」
 四辻はそう言って、いつ用意したのか、三味線に一枚の札をぺたりと貼り付けた。
「またこういうことがあったらどうすればいいでしょうか」
 気になって訊ねると、四辻はなぜか明後日の方向を見る。
「またあったらか。確かに考えられるな。……そうだな、君、これはおかしいぞと思ったら、咄嗟に何か想像するといい。例えば最近読んだマンガやドラマのワンシーンとかそういったものでいい。それで夢を切り替えられるはずだ」
「え、それだけでいいんですか?」
「ああ。君ならそれで大丈夫だろうさ。もしそれでどうにもならなければ、俺を呼ぶといい」
「四辻さんを?」
「ああ。君が呼ぶなら行こう」
「はあ」
「あ、信じてないな?」
「四辻さんは昔から不思議な人ですけど、流石にそういったのは無理でしょう」
 すると、四辻はふふんと笑う。
「行くとも。他でもない、君からのお呼びならね」

 そんな出来事があった二ヶ月後。
 京十郎が会社で仕事をしていると、不意に書類が回ってきた。
「春日井、次の新年会の出し物、これでいいよな」
 そう言って渡された書類を見て、京十郎はギョッとする。そこには、三味線で弾く曲がいくつか並んでいて、それを京十郎が演奏することになっていたのだ。
「え、いや、これ」
「どうした、何か問題があったか?」
「ありますよ。え、なんで俺が三味線を?」
「弾けるだろ、春日井は」
 即座に弾けないと言えばよかったのだが、京十郎はそれを言えず、口ごもってしまう。
「頼んだぞ」
「いや、困ります! 俺、これは弾けないし」
「大丈夫だって。楽しみにしてるぞ」
 そう言って去っていく同僚の背中を睨みながら、ふとおかしいと気付く。京十郎が趣味で三味線をやっていることなど、会社の同僚には誰一人話していない。どころか、知っているのは四辻だけのはずだ。そして四辻は、こういった秘密を誰かに勝手に話すような人間ではない。であれば。
 京十郎はこれは夢かと思う。一度そう思うと、突如周囲の景色がぐにゃりと歪む。
――これはおかしいぞと思ったら、咄嗟に何か想像するといい。例えば最近読んだマンガやドラマのワンシーンとかそういったものでいい。それで夢を切り替えられるはずだ
 四辻の言葉を思い出し、京十郎は一度ぐっと目をつむり、先日見た旅番組を思い出す。そうして目を開くと、霧がかった森の中に立っていた。これで一安心かと息をついたところで、大地がぐらりと揺れる。それに驚いて膝をついたところで、ぱっと景色が変わり、かつて通っていた中学校の廊下になっていた。
「キョウ君、ねえ、弾いてよ」
 聞こえてきた達樹の声にギョッとして振り返ると、彼が三味線を手に立っていた。
「ひ、弾かない。人前では弾かないって決めてるんだ」
「どうして? 一曲くらいいいだろ」
「嫌だ。絶対、誰かの前でなんて、嫌だ」
 不意に過去の記憶が脳裏によぎる。放課後に遊びの延長としてピアノを弾いただけで顔色が変わり、執拗に迫ってきた音楽教師、ピアノ教室の発表会で顔を合わせる度に突っかかってくる音大志望の子ども、発表会の度に長々とした感想を言いに来るどこぞの音楽家、吹奏楽部の演奏で長くフルートを吹いていると段々と恍惚とした表情になる周囲の部員や観客、祭りで横笛を吹いたら専属にと迫ってきた神社関係者、こちらの演奏を聞いて音楽をやめたと言う者、あるいは自殺した……。
 不快な思いをした記憶が一気に押し寄せ、気分が悪くなり、視界がぐらぐらと揺れる。しかし達樹からは、いやあの三味線から逃れたいと、じりじりと距離を取ろうとする。それに合わせて、達樹が三味線を持って迫ってくる。
「キョウ君、一曲だけでいいんだ。ねえ、弾いてよ」
「嫌だ。絶対、やだ、俺は、弾かない。弾かない!」
 首を振りながら叫ぶ。それでも達樹は迫ってくる。
 もうどうしようもないと思い、京十郎は藁にもすがる思いで、口を開く。
「助けて、四辻さん!」
 そう呼んだ途端、中学校の廊下の天井がばっくりと割れ、そこから黒い影が飛び込み、それがそのまま達樹を吹き飛ばした。
「ほら、来ただろう?」
 その声に顔をあげると、いつも作務衣を着ている四辻が、見慣れない平安貴族のような黒い服を着てそこに立っていた。
「よ、四辻さん」
「無事で良かったよ。しかし、君、本当に危なかったな」
 そう言って四辻が顔を向けた先では、達樹が立っていた。しかしそれは姿形こそ達樹だが、その目は人ではありえないほどの大きさに見開かれ、眼球ではなく赤い石が埋まっている。
「おお、忌々しい。お前のツレであったか」
 聞こえてきた声は達樹のものではない。とても低く、地響きが人の言葉を話しているようだった。
「俺のツレというほどの仲ではないが、まあ、そうだな、手を出すならば俺が出てくる程度の仲だと思ってくれ」
「譲ってはもらえまいか」
「悪いが、お前にくれてやるわけにはいかない」
「……そうか」
 次の瞬間、強い風が吹き、それに思わず目をつぶった。

 気がつくと、京十郎の目の前には見覚えのある天井があった。少し顔を動かすと、四辻がいる。いつもと同じく、ジャージ姿だ。
「四辻さん?」
 声をかけると、四辻はこちらを見て、ふと笑う。
「やあ、起きたか」
「え、さっきの夢、本当に?」
「夢? 何のことだい」
 そう言って、四辻は首を傾げる。本当に知らなさそうな様子に、京十郎はなんだか無性に恥ずかしくなる。もし今のが本当に、ただ京十郎が見た夢なのだとしたら、あの四辻の言葉を真に受けて、夢の中に登場させてしまったということになる。四辻に知られたらからかわれそうだ。
「いや、すみません。変な夢見て、動転しちゃって」
「昨日は変な酔い方してたもんな。変な夢も見るさ」
 そう言われて、昨晩のことを思い出そうとするが、この家に来た経緯は思い出せない。
 確か、会社の飲み会があって、そこでうまい酒があって、調子に乗ってそれをかなり飲んだ記憶はあるのだが……。
「俺、まさか、酔っぱらって四辻さんの家に?」
「いや、ここまで来てはいないよ。ただ、俺が所用で帰ろうとした時に君を見かけて、声をかけたら変な酔い方してたから、ひとまずとうちに連れ帰っただけさ」
「……それは、大変ご迷惑をおかけしまして」
「何、構わないさ。君を拾ったのが俺でよかったな」
「ええ、それはその通りです」
「そういえば、会社は大丈夫なのかい?」
「今日は休みなんで」
 そう言いつつ一応日付を確認する。きちんと休日だ。
「そうか。それならゆっくりしていきなさい。どうせだから汗でも流してくるといい。その間に朝食を用意するよ」
「や、流石にそこまでは」
「いいじゃないかたまには。それに俺もこれから食べる予定だったんだ。ほら、これ着替え。朝風呂は気持ちいいぞ」
「あの、四辻さん」
 断ろうとするが、四辻は京十郎を引っ張り、風呂に行かせようとする。これは断り切れないかと思い、京十郎はため息をついた。
「それじゃあ、すみません。お言葉に甘えます」
「ああ、そうしなさい」
「ありがとうございます、四辻さん」
「礼には及ばないさ」

 京十郎が風呂に向かったところで、四辻は息をつく。
「全く、目を離すとすぐこれだ」
 そう言いながら、昨晩討ち取ったものを思い出す。少し名の通った古狸だったが、四辻からすればすぐ倒せる部類だったし、討ち取ったことで少し界隈が騒がしくなるかもしれないが、まあ問題はないだろう。ついでに京十郎のことを喧伝するかとも思うが、それはそれで余計なものが近付いてきそうだ。
「やはり黙っておくか。恩人を困らせるのはよくないしな」
 四辻はそうと決め、朝食を作るために台所へ向かった。その四辻の影には、獣の尾のようなものが複数あったが、台所へ向かうにつれそれは消えていった。

冒頭で出てくる夢は実際に自分が見た夢が元になっています。
結構面白い夢だったので、ちょっと後ろに余計なものを付け足してみました。

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