オルムという夢魔の話

インセイン「ワンナイト・マイスイート!」セッションで使用したキャラの設定とセッション前日譚と後日談。

セッション終了直後のオルム君
 ぱちりと目を開き、あくびをする。外はやや白み始めている。ここはオルムの、いや松葉暮人の部屋だ。
「あー、やってもうたか?」
 先程までのことを考え、いやと首を横に振る。
「考えたら、いつでもおいしい食事にありつけるってことやし、悪くはないな。うん」
 味は抜群だった。それだけは間違いない。というか、よく考えたら結局昨夜は食べそこねた。今日会った時にしれっと手でも握って吸ってやろうか。
 池田がこれを聞いたらなんと言うだろうか。
 少し考えるが、まだ想像はつかない。それはきっと今日知ることができるだろう。
 思わぬところでできた未来の予定に、ふふと笑う。きっとこれは楽しくなるだろう。
「付き合うって、そういえば何するんやろ。やっぱセックスかな?」
 そこは少し不安があるが、まあ夢魔として培ってきた経験はあるので、池田を喜ばせる自信はある。こちらの事情がいつかバレるかもしれないが、きっとその前に池田がこちらに飽きて別れを切り出すに違いない。何せ人間は飽きっぽいのだから。
「あ、童貞って卒業したら味変わるとかないよな」
 ふと思うが、その辺はどうだったろうか。ヨヅルがその辺詳しかったはずなので、今度聞いてみよう。
 まあ、味が変わっても食べられる自信はある。自慢ではないが、オルムは好き嫌いはないのだ。
「その日まで、精々お腹いっぱいおいしいもん食べさせてもらお」
 くふと笑い、ベッドから出る。
 さあ、今日も元気に楽しく、人間をやろうではないか。

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セッション開始前の池田くんへの感情「こいつマジで、ほんと、食うたろか」(グルルルルルルルッ)
セッション終了後の池田くんへの感情「やったー、おいしい食料ゲットだ〜!」(ニッコニコ)
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不感症って設定なのになんでセックスしようとするんですか?
「え、君ら人間だって、毎日三食全部お茶漬けとかじゃ味気ないでしょ。それと一緒。まあここはそれぞれの主観なんやけど、俺からしたら、ただ触れるだけってのはお茶漬け食ってるみたいな感じで、腹にはたまるけどあっさりしてますねって思うんよ。その点、セックスやったらがっつり味が濃くてガツンとくるみたいな感じでな。まあラーメンとかカツカレーの部類やな。だからたまにセックスするんよ。まあ、人間として暮らすようになってからはその辺慎ましゅうしてたから、お陰でちょっと小食になったんやけど、……池田くんのせいでなあ。だいぶ食欲を思い出してもうたわ。ほんと罪深い子やで」

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