オルムという夢魔の話

インセイン「ワンナイト・マイスイート!」セッションで使用したキャラの設定とセッション前日譚と後日談。

if 数年後のオルムくんin夢魔の集まり
「そういえばさー、オルム、あの童貞くんとはまだ続いてんの?」
 同期の集まりで不意に話を振られる。
「もう童貞じゃないです〜。俺が責任持って卒業させましたぁ」
「夢の中はカウントしないっしょ」
「ちゃんと現実でもやってあげたから」
「マジ〜? 童貞の方が味いいって言うのに」
「ヨヅルに聞いたら、あんま変わらんって言ってたもん」
「童貞処女専のヨヅルが言うなら間違いないか。あれ、だったらなんであいつ、童貞処女専なわけ?」
「人聞き悪い〜! 僕は童貞もしくは処女っぽい態度の子が好きなだけです!」
 話に割って入ったのは今こそ話題にしていたヨヅルだ。相変わらず、胸と尻がでかい。
「お、ヨヅルじゃん。来ないかと思ったのに」
「丁度時間あいたから来ちゃった。ところで今、オルムの童貞くんの話してた?」
「もう童貞じゃないらしいよ」
「えー、卒業させたげたんだ。オルムってその辺面倒見いいよね〜」
「現実でもやらせてって頭下げるの可愛かったんやもん」
「オルム可愛いのタイプだったっけ?」
「今回は別腹だから」
「たまに変な味の食べたくなるもんねえ」
 ケイシーに話を振られ、そんなもんと返す。池田の味はそれはそれは良かったのだが、それをこいつらに教える義理はない。
「で、どうなの。まだ続いてるの」
「え、別れたよ。確か二年前?」
「二年前ってことは、あー、まあ平均的?」
「何、今回も浮気者〜ってそしられた?」
「全然。大学卒業して、仕事忙しくて現実での接触が減って、それで疎遠になったんよ。夢を通じて行けなくはなかったんだけど、ロボット作るの楽しくてそっちも頻度減ってたから」
「マジ? ってか、よくお腹すかないね。付き合ってる間は相手一本じゃんオルムって」
「まあ職場とかでちょちょっとつまみ食いしてたから。あん子と付き合ってからつまみ食いが得意になったんよ」
「なるほどー。ってかそれ、浮気疑われてない?」
「まあそうかも? まあそれはそれでしゃあないんやない? そもそも最初から夢魔って言うとるし。あとやっぱなあ、不感症がなあ」
 試行錯誤の末、解決しようがないという結論に至った自身の体質も別れる要因の一つだったのではないだろうかと今では思う。こちらが笑顔でおいしかったと答えても、時折少し申し訳なさそうな顔をしていたのだ彼は。
「オルム不感症だったの? え、尻尾試した?」
 ヨヅルの言葉に勿論と頷いた。
「でも握られても全然よおなくて」
「あー、なんだっけ、カカク先輩いたじゃん。あの人によると、なんか、成熟期間? それの関係で、ある程度年取ってから尻尾開発しないと良くならないタイプいるんだって。オルム、それじゃない?」
「……マ?」

 あの後カカクという夢魔から話を聞き、そこで渡された冊子を読み、オルムはため息をついた。
「マジかー。え、俺、人間で言うところの精通してなかったってこと?」
 衝撃的すぎると思いながら、冊子をパラパラとめくる。
「もうちょい早く知りたかったかなあ」
 再びため息をつき、冊子をパタンと閉じ、引き出しにしまう。
「ま、次コイビトできたら考えよか。今は別に不感症で困らんしな」

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