白猪くんは案外運がいい

インセイン「名探偵は二度死ぬ」の感想ふせったーまとめと、小話たち。今回の小話は自陣ドラマパロのオタクたち(概念)が出した二次創作みたいな色が強い。

白猪モノローグ
 羽生田から渡された名刺を見て、動揺してしまい、一瞬声を上げそうになった。
 霧島恵美。兄昇の幼馴染と同じ名前だ。
 まさかと思いつつ、羽生田から詳細を聞き、また霧島の容姿についてもある程度聞いた。
 容姿の特徴からいって、同一人物のように思えてしまうが、果たしてそんな偶然がありえるのだろうか。
 あの少女の言い分もあるし、もしかして、彼女も何らかの事件を起こして……?
 嫌な方向に想像が膨らむが、いやと内心で思う。
 あの少女と関わっていれば、いずれ直接会うこともあるはずだ。その時に、もし本当にこの霧島恵美があの彼女なら、直接聞けばいいことだ。
 その時まで、兄の幼馴染と同姓同名だということは伏せておこう。
「うーん、児相は縁がなかったんで、わかんないっすねえ」
「そう言われると、俺も縁があったわけではないが……、そうだな、今は疑うだけの証拠もないか。…けど少なくとも、異様ではあったな…」
「そうっすか。……警察もバタバタしてるし、そのまま帰すのもって感じとなると、うち、というか先輩が保護ってのがいいかもしれないっすね」
「まずはな。……だが、俺は霧島さんに顔が割れている。場合によっては白猪、お前が別行動で保護してやってくれ」
「了解っす。じゃ、預かるってなった時に怖がられないよう、先輩に頼まれて買ってきたお菓子とジュースで交流を深めてくるっす!」
 ついでに彼女から霧島恵美の情報を聞けたらいいなと思いながら、車で不安げにしながら待っている少女のところへ行った。
「ども、羽生田先輩の後輩の、白猪健夫っす!」
「羽生田先輩っておじさんのこと?」
「あの人のことっすね」
 後ろからやってきた羽生田を指差すと、彼女はなるほどと言いたげに頷いた。
「先輩と一緒にいられない時は多分俺が一緒に行動することになると思うんで、よろしくっす。これ、お近づきの印にどうぞ。ジュースはちょっとぬるくなってるんで、微妙かもっすけど」
 にこりと笑顔を向けつつ、警察に行く前に調達した品を少女に渡した。

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